[解説と設問を発表] クソどうでもいい仕事 vs 意義のある仕事【英語で学ぶ未完の資本主義】第12回3/16(日)20時@オンライン
2024年9月から始まった講座&ワークショップ「英語で学ぶ未完の資本主義」。第12回はデヴィッド・グレーバー「ブルシット・ジョブ: クソどうでもいい仕事の理論」での主張をもとにグローバル資本主義と仕事・労働の価値との関係性について英語で議論する第2回です。このワークショップの解説と設問を発表します。
2024年9月から始まった「英語で学ぶ未完の資本主義」に関するワークショップの2025年3月のお知らせです。2025年3月16日(日)夜20時@オンラインで開催するワークショップ第12回は書籍「英語で理解する未完の資本主義」で、文化人類学者であり、アナーキストの活動家でもあるデヴィッド・グレーバー教授が「ブルシット・ジョブ: クソどうでもいい仕事の理論」について述べている第3章の中盤のセクション「人々には意義のある仕事が必要だ」(P76-81)を使い、英語で議論します。設問はこの記事の以下のセクションの内容も踏まえた形で設定しますので、書籍の購入がまだの方も、ぜひご参加ください。
クソどうでもいい仕事 vs 意義のある仕事【英語で学ぶ未完の資本主義】第12回3/16(日)20時@オンライン
20018年に発表後、世界的なベストセラーとなった「ブルシット・ジョブ: クソどうでもいい仕事の理論」。著者のデヴィッド・グレーバー教授は2020年に59歳の若さで急逝しましたが、遺作となった『万物の黎明―人類史を根本からくつがえす』も大いに注目を集めています。
『万物の黎明―人類史を根本からくつがえす』デヴィッド・グレーバー、デヴィッド・ウェングロウ著/酒井隆史訳 評者:重田園江【新刊この一冊】|文化|中央公論
https://chuokoron.jp/culture/124011.html
「ブルシット・ジョブ: クソどうでもいい仕事の理論」は「労働の価値」を問う作品でありますが、これと対極にあるのが「意義のある仕事」についての議論です。
ブルシット・ジョブ: クソどうでもいい仕事の理論デヴィッド・グレーバー 著 , 酒井 隆史 訳 , 芳賀 達彦 訳 , 森田 和樹 訳
https://www.iwanami.co.jp/book/b515760.html
以下は英語版の著書の紹介です。
Bullshit Jobs: A TheoryBy David Graeber
https://www.simonandschuster.com/books/Bullshit-Jobs/David-Graeber/9781501143335
この書籍が発表されたのは、パンデミックの前でしたが、この近年稀にみる未曾有の公衆衛生の危機は、私たちに「社会に必要で意義のある仕事」について再考を促しました。Covid-19が未知のウィルスであり、ワクチンも治療薬も手に入らなかった時期、それでも人々の生命と日常を守るために奔走したのが、医療従事者、介護にかかわる人々、スーパー他生活必需品を販売する店舗で働く人々、クリーナーなどの「エッセンシャル・ワーカー」でした。彼らは、当時、社会から「ヒーロー」と称えられました。
一方、コロナ禍と同時期に進行したAIの進化により、求められる仕事の役割も大いに変化しつつあるようです。エリート中のエリートと見做されているハーバード・ビジネス・スクールの直近の卒業生の23%が仕事が見つかっていない、という記事がニュースで取り上げられ、注目を集めています。コロナ禍によるジョブ・マーケットの変化が大きく影響しているようですが、明らかに市場で優位に立つための仕事の質が変わってきたことを物語っているとも言えます。
When Harvard MBAs Can’t Find Jobs: How the Job Market Has Changed
あなたは、グレーバー教授の言う「クソどうでもいい仕事」vs 「意義のある仕事」の主張について、どう思いますか?一緒に考えてみましょう。
日時: 2024年3月16日(日)20時~21時30分
場所: オンライン
定員: 10名程度まで
費用: 見学のみ: 500円、初回参加者:800円~
【チケット】
チケットの申し込みは以下のYahooチケットサイトから、または銀行振り込みでお願いします。
クソどうでもいい仕事 vs 意義のある仕事【英語で学ぶ未完の資本主義】第12回3/16(日)20時@オンライン
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01e2y9rwt2b41.html
【銀行振込での申し込み】
振込用紙は以下のサイトからダウンロードお願いいたします。
https://www.global-agenda-21c.com/contact
このワークショップの設問は参加申し込み者、サロン会員、有料ニュースレター購読者及び後日発表するnote記事購入者にのみ送付します。過去の【英語で学ぶ大人の社会科】ワークショップと同様の設問を設定しますので、以下のマガジンの2020年4&5月の記事(設問を公開しています)を参考にしてください。
【英語で学ぶ大人の社会科】世界の知性が語る現代社会
https://note.com/globalagenda/m/mb6e6207ceae6
【未完の資本主義】
2019年に出版されたインタビュー集『未完の資本主義』。その特徴は、現代社会で「知の巨人」たちと呼ばれる気鋭の識者7人に、「テクノロジー」と「経済」の観点から今後の資本主義の行く末について尋ねる内容となっています。
未完の資本主義:テクノロジーが変える経済の形と未来https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-84372-8
今回新たに、この書籍の英語版の内容と関連記事について月2回のペースでワークショップを開催していく予定です。以下、それらの識者のラインナップです。
◆ポール・クルーグマン(ノーベル賞経済学者)――我々は大きな分岐点の前に立っている
◆トーマス・フリードマン(『フラット化する世界』著者・NYタイムズコラムニスト)――「雇用の完新世」が終わり「人新世」がはじまる
◆デヴィッド・グレーバー(文化人類学者・ウォール街占拠運動の理論的指導者)――職業の半分がなくなり、「どうでもいい仕事」が急増する
◆トーマス・セドラチェク(『善と悪の経済学』著者・チェコ共和国経済学者)――成長を追い求める経済学が世界を破壊する
◆タイラー・コーエン(ジョージメイソン大学教授・経済学者)――テクノロジーは働く人の格差をますます広げていく
◆ルトガー・ブレグマン(ジャーナリスト・歴史家)――ベーシックインカムと1日3時間労働が社会を救う
◆V・M=ショーンベルガ―(オックスフォード大学教授・ビッグデータの第一人者)――「データ資本主義」が激変させる未来
英語版の書籍はこちらです。
英語で理解する未完の資本主義
https://book.alc.co.jp/book/b10029862.html
「インタビューの英語書き起こし」「日本語訳」「用語解説」「7人のインタビュー音声」をまとめた、「英語を学びながら、英語で学べる」1冊です。英語を使って勉学・仕事をしたり、最先端の知に関心のある人におすすめの内容です。
【解説】
書籍内の彼のインタビューを書き起こした章の中盤で「ブルシット・ジョブ: クソどうでもいい仕事」を無くすために、何が必要か、デヴィッド・グレーバー教授は持論を展開します。この中盤の議論は、厳密な調査に基づいたものでなく、彼の「観察」による分析です。ブルシット・ジョブが無くならないのは、官僚主義の問題である、と主張し、肥大した国家機構の欠陥を断罪しています。
まるで、新自由主義者が提唱する「小さな政府」、公務員のような仕事は不必要なものを作り出しているのだ、と言わんばかりの論調に対しては批判も寄せられています。何だか、イーロン・マスク率いるDOGE(Department of Government Efficiency:政府効率化省)による、現在進行中の「行政改革」を思い起こさせるような議論でもあります。
イーロン・マスク率いるDOGE(政府効率化省)の真の一番の目的は何か? 政府効率化そのものではなく、さらにその奥にあるミッションとは!?|ザイ・オンライン
https://diamond.jp/zai/articles/-/1045805
一方、グレーバー教授は、社会的に「意義のある仕事」が評価されるためには、「労働の価値」を見直すべきだとも主張しています。人々を無益な労働から解放するための手段として、彼は「ベーシック・インカム」の導入を訴えています。
ここから先の情報、設問はイベントへの申込者、サロン/メンバー/有料ニュースレター会員、note記事購入者に公開します。
[解説と設問を発表]クソどうでもいい仕事 vs 意義のある仕事【英語で学ぶ未完の資本主義】第12回3/16(日)20時@オンライン