岸田新総裁と自民党の政権運営【Global Newsについて語ろう!】第37回 10/16(土)10時@オンライン
チケット
【ワークショップ】
ワークショップは2021年9月29日に発表された以下のThe Guardianのデジタル版英語記事を利用します。
9月29日、岸田文雄前政調会長が自民党新総裁に選出されました。その総裁選の結果と今後の政局についてNHKの解説委員室がまとめています。
自民党総裁選挙は、岸田前政務調査会長が、決選投票で、河野規制改革担当大臣を抑え、... #nhk_kaisetsu
今回の総裁選で興味深かったのは何といっても総裁選に2名の女性候補が出馬し、同じ自民党所属ながら、各候補の掲げる政策にも大きな違いがみられたことです。Newsweekの北島純氏の解説がそれをよく表していると思います。
「敵基地先制攻撃能力の保有から対中非難国会決議の実現までの保守的政策を正面から掲げる高市氏もいれば、女性、こども、社会的弱者に寄り添う視線を強調する野田氏もいた今回の総裁選は、右から左まで幅広いウイングを持つ自民党の国民政党性をいかんなく示した。55年体制の下で「擬似的政権交代」の役割を果たしたと評される党総裁選がまるで再来したようだ。」
各候補の主張や思想が割れた中で、一番中間的な立ち位置を占める岸田氏が議員票を獲得し、今回勝利に至った、というのが実情のようです。
「決定的な動きは、保守的な政策を前面に掲げる高市氏が急速に支持を拡大したことだった。これによって、従来からの保守的な自民支持層が喝采をあげただけでなく、「女系天皇」や「同性婚」、「原発」などに関する河野氏の「リベラルなイメージ」が際立つ形になった。両者の狭間で中庸と安定のイメージを維持し続けるポジショニングを得たのが岸田氏だった。」
一方、この記事でも指摘されていますが、岸田氏は各派閥や自民党の重鎮たちから支援を得る一方、結果として過去に賄賂等の醜聞で一線を退いた甘利氏や総裁選で彼を支持した派閥出身の議員を要職に起用したことから、「論功行賞」人事と揶揄されています。また、長期政権を維持した安部元総理の影響は総裁選時から根強く、これも元老政治と批判を浴びています。
実は自民党の得票率は年々減少してきているといいます。ただ、投票率が低いので、議席は確保しています。このなかで、この秋の衆院選で自民党のこれまでのコロナ対策がどのように評価されるのか、注目していきたいと思います。
本紙が参院選選挙区74議席のうち、最も多い38議席を獲得した自民党の得票を分析したところ、全有権者に占める得票割合を示す「絶対得票率」...
様々な歴史的経緯から、政権交代が起こりにくく、政治にダイナミズムが欠けるのが日本の政治の特徴です。しかし、経済、社会保障、気候変動、外交と日本の政治をめぐる状況は課題が山積みです。危機が深まる今、この政権がどう動くのか、皆さんで話し合ってみたいと思います。このワークショップに関する設問は、後に発表する有料記事の購入者、オンラインサロン会員、ワークショップ参加者に送付します。