アイヌの言葉と先住民の権利【Global Newsについて語ろう!】第30回 8/28(土)10時@オンライン
チケット
ワークショップは昨年末に発表された以下のThe Japan Times紙の記事を利用します。この記事は「The Japan Times ニュースで深堀り英語vol.3」の78頁に日本語訳とともに転載されています。
東京五輪の閉会式にアイヌ民族の舞踊が映像で紹介されました。実は五輪最終日の男子マラソンの舞台となった札幌市で、日本の先住民族アイヌの舞踊が公認プログラムとして披露されたのだそうです。NHKは以下のような紹介記事を掲載しています。
「総勢200人でアイヌ文化を世界に発信。オリンピックが掲げる「多様性と調和」を表現した舞踊には、その先を見据えた踊り手の強い思いがありました。」
日本語の「国」という言葉は英語では主に3種類あります。country, nation, stateの3つです。日本は「単一民族国家」だと思っている人は大勢いますが、歴史的に見て、北海道にはアイヌに代表される先住民族がおり、沖縄にも独自の言葉と文化を持つ琉球民族がいます。通常、nationは「同一の民族、文化、風習、言葉からなる国」を指し、stateは国家という統治機構を指します。私たちが自明のものとしている国民国家「Nation-State」の歴史は浅く、その言葉が初めて登場したのは17世紀です。
そして、 つい最近まで語られることはほとんどなかったのですが、「国民国家」の歴史は征服と支配、略奪の物語で占められています、その最たるものが植民地国家である北米・南米・豪州の国々です。人間の歴史が刻まれて以来、基本的に誰も人が住んでいない場所に「国民国家」が成立することは稀です。植民地にされた土地で、国家機構を持たずに生活していた先住民たちは、強力な軍隊、統治機構を持つ国民国家に飲み込まれ、独自の文化や言葉を失っていったのです。
しかし、近年、この失われつつあった先住民の文化や言葉を守ろうとする動きが活発化しています。私がこの問題に最初に関心を持ったのは、留学先のカナダのブリティッシュ・コロンビア大学の構内にある先住民の歴史を伝える著名な博物館を訪問したのが、そのきっかけです。
ブリティッシュ・コロンビア大学 人類学博物館―UBC―(カナダ)Museum of Anthropology at UBC
また、アメリカ先住民の血を引く俳優ケビン・コスナーが主演・監督を務め、アカデミー賞を受賞した映画「Dances With Wolves (ダンス・ウィズ・ウルブズ)」では米国に入植した白人が自然とともに生きていた先住民を追いやり、その暮らしや文化を暴力で奪っていった残酷な過程と歴史が素晴らしい映像とともに鮮明に描かれています。
アイヌ民族の子孫たちはニュージーランドのマオリ族の文化と言語の復権のプロセスに刺激を受け、新たな道を歩みだしたようです。私たちが忘れていた日本の先住民の歴史と苦難、現在の取り組みについて一緒に学んでみませんか?
このワークショップに関する設問は、後に発表する有料記事の購入者、オンラインサロン会員、ワークショップ参加者に送付します。詳細は以下の記事からご確認ください。