【解説と設問を発表】米国史上最大のワクチン輸送作戦【Global Newsについて語ろう!】第27回 8/7(土)10時@オンライン
ワークショップ
ワークショップの詳細は前回のnote記事でご確認ください。
ワークショップは昨年末に発表された以下のAP通信の記事を利用します。この記事は「The Japan Times ニュースで深堀り英語vol.3」の50頁に日本語訳とともに転載されています。
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解説
先日、無事、第1回の新型コロナワクチン接種を終えました。第2回も接種日が決まっているので、ひとまずは新型コロナ感染のリスクは下がりますし、仮に感染力の強いデルタ株に万が一罹ったとしても重症化は避けることができます。しかし、接種までの道のりは非常に長く、今回の日本政府のコロナワクチン接種計画や搬送、接種者の情報管理には、かなり失望させられました。
まず、ワクチンの接種を管理するのが、それぞれ、国、県、市、職域と4者に分かれており、優先順位や手続きが非常に煩雑だったことです。ワクチンの接種券を得るのも一苦労でした。そして、接種会場で驚いたのは全ての手続きが紙ベース、聞き取りされた情報は手書き、予め決められた第2回の予約の変更さえも接種会場では手続きが出来ず、コールセンターに電話して予約日時を変更しなければなりませんでした。
もちろん、新型コロナワクチンが自治体に配布されるのもとてもスローで、東京五輪が開かれている現時点でさえ、日本国内での接種率は以下の低さです。
日本国内の新型コロナワクチン接種人数
2021年7月29日時点
【NHK】日本国内でも2021年2月17日に始まった新型コロナのワクチン接種。これまでの累計の接種回数や副反応の情報をまとめています。
1回目:4886万2145人
全人口に占める割合:38.43%
2回目:3514万7293人
全人口に占める割合:27.64%
以下、世界における新型コロナワクチンの接種の状況です。
Charts and maps tracking the progress of Covid vaccination programmes.
先日、タイ在住の日本人の方とSNSでワクチンに関してやり取りをしました。在タイ日本国大使館を通じて連絡があり、神戸の工場で製造されたアストラゼネカ社のワクチンをタイ在住の日本人は接種できることになったそうです。彼女は非常に喜んでいましたが、私は複雑な思いを抱きました。血栓リスクの副作用の問題や抗体産生率が低いことから、国内での接種は控えられているアストラゼネカ社のワクチンでさえ、日本国外に住む彼女たちには非常に貴重なものです。一方、私の周囲には「ワクチンを打つ予定はない」と言い切る人もそれなりにいます。そして、インド他東南アジアの国々で新型コロナの治療を受けることなく亡くなった邦人もかなりの数に上るといいます。
また、欧米発の経営学、MBAプログラムの発祥は世界大戦時のOperations Research だと言われていますが、くしくも今回の米国の新型コロナ・ワクチン配布計画は軍隊が指揮したようです。
着々と進んできた米国内のワクチン接種ですが、新型コロナ・ワクチンに関するデマの流布は凄まじく、接種率のスピードはここ最近低下しています。
しかし、デルタ株の流行を受け、ワクチン接種を義務化する米国の企業や大学も現れ始めています。
【NHK】変異した新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、アメリカでは企業の間で従業員にワクチンの接種を義務づける動きが広がっていま…
こられの動きを受けて、米国ではついに集団免疫獲得に必要だといわれている接種率70%(ただし、デルタ株の出現により、現在はこれより高い数字が求められています)を獲得するに至っています。
【NHK】アメリカのCDC=疾病対策センターは、新規感染者数の7日間平均が前の週より40%余り増え、去年夏のピーク時の水準に達した…
「政府の新型コロナウイルス対応チームの高官は、この数週間で新たにワクチンを接種した人の数が増加傾向に転じ、8月2日には18歳以上で少なくとも1回の接種を受けた人の割合が70%に達した」と発表
パンデミックは世界的にワクチンが普及するなどして、集団免疫が獲得できないと終わりは見えないといわれています。日本は今回のワクチン配布に関する失敗から学ぶことはできるでしょうか。皆さんで議論したいと思います。
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