【解説&設問を発表】「気候変動:パリ協定の成果を検証」【Global Newsについ語ろう!】第19回 6/12(土)10時@オンライン
【チケット】
AFP通信が昨年末に発表した以下の記事をワークショップで利用します。
この記事は「The Japan Times ニュースで深堀り英語vol.3」の112頁に日本語訳とともに転載されています。
ワークショップの詳細に関しては以下のnote記事をご確認ください。
現在の脱炭素社会の動きやパリ協定に関しては「日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)」のサイトの以下の頁が簡潔に説明してくれています。
まず、気候変動によるリスクの要約は以下のとおりです。
気候変動による、将来の分野別リスク (IPCC*第5次評価報告書WG2 政策担当者サマリーより抜粋)
-沿岸低地:海面上昇で洪水が増え、適応策なしでは数億人が移住を迫られる
-食料安全:約4℃以上の局所的温暖化で食糧安全保障に重大リスク
-経済部門:2.5℃上昇で世界経済の損失は0.2~2%の可能性
-健康:熱波や食料不足による病気・死亡の可能性増大
-貧困:食料不足、経済減速が新たな貧困の引き金に
-生態系:陸上、淡水域で絶滅の可能性が高まる生物種も
-人間の安全保障:貧困増大等により、内戦・紛争リスクが間接的に増大
パリ協定の目的は「産業革命以降の平均気温上昇を2℃未満に抑制する。そして、1.5℃未満への抑制が努力目標」ですが、この目標の達成には早くも黄信号が灯っています。
世界気象機関(WMO)は26日、地球の気温が今後5年以内に一時的に産業革命前より1.5度上昇する確率は40%で、確率は上昇しているとのリポートを発表した。
日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)もこの目標に関して以下のように説明しています。
一方、現在の各国の削減目標を合算しても、2℃目標達成に必要な削減量を大幅に下回る。このギャップを埋めるべく、パリ協定では、①各国の削減の進捗確認と2℃目標達成への妥当性の評価(グローバル・ストックテイク)、② 5年毎の各国目標の見直し(上方修正:Ratchet-Up)、というメカニズムが組み込まれている。
しかし、徐々にではありますが、気候変動に関する企業の取り組みは投資家たちの圧力などにより、改善の方向に向かっています。それを象徴するようなニュースが以下のものです。
米石油大手エクソンモービルは2日、ヘッジファンド、エンジン・ナンバーワンから提案された取締役候補の3人目を株主が選任したと明らかにした。
「脱炭素に向けた動きが加速する中、「物言う株主」であるエンジン・ナンバーワンは、株主の将来価値に向けてCEOが大きな変化を起こす必要があると主張。取締役の刷新を求め、4人の取締役候補を提案」
また気候変動に取り組む国際企業の取り組みも活発になっています。
日本の温室効果ガス削減目標値は低すぎると批判されてきましたが、ついに菅総理はその引き上げを決定しました。しかし、専門家はこれでもまだ十分ではないと警告しています。
米国のバイデン大統領が主導した4月の気候変動サミットでは、先進国を中心に、2030年までの温室効果ガスの削減目標を一気に引き上げる動きが広がった。先進国と新興国との間での温度差はなお残るものの、地球
気候変動サミットでは、日本は2030年度までの温室効果ガスの削減目標(2013年度比)を従来の26%削減から46%削減へと大幅に引き上げた。また米国も、2005年比で26~28%削減という従来の目標を50~52%の削減へと大幅に引き上げている。両国ともに大きな決断をした訳だが、CATによると、パリ協定の1.5℃目標達成には、日本の場合は13年度比60%以上、米国は2005年比57~63%の削減が必要だという。目標達成に向けたハードルは、どんどん高くなっていくばかりだ。
これまで社会が環境問題に真摯に取り組んでこなかったツケが回ってきた訳です。大変難しい問題ですが、皆さんの議論に期待します。
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