【解説と設問を発表】カーボンゼロと都市デザイン【英語で学ぶ大人の社会科】第32回 8/29(日)20時@オンライン
【ワークショップ】
ワークショップの詳細は前回のnote記事でご確認ください。
【note】カーボンゼロと都市デザイン【英語で学ぶ大人の社会科】第32回 8/29(日)20時@オンライン|
当日利用する記事は以下のものです。
Why the path to a greener future begins in our cities
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【チケット】
カーボンゼロと都市デザイン【英語で学ぶ大人の社会科】第32回 8/29(日)20時@オンライン
解説:カーボンゼロ都市を目指して
8月も後半ですが、日本では集中豪雨が1週間続いた後に熱波が戻ってきました。しかし、これより前の6月に冷涼な気候で知られるカナダで3日間連続で最高気温が49.5度を超えるという熱波が西部のブリティッシュ・コロンビア州を直撃しました。私も以前住んでいたことがあるバンクーバー市近くのリットン市の記録だそうです。バンクーバー市は2月後半には桜が咲き、気温も氷点下になることもほとんどない温暖な地域ですが、私が住んでいた当時は30度を超えるような真夏日になることはめったにありませんでした。当然、近隣地域に冷房設備のある家はほぼ皆無だったはずです。環境NGOのグリーンピースは500人以上がこの熱波で死亡したと報告しています。
カナダ、記録的な高温で70人近い死者 3日連続で最高気温を更新
カナダのブリティッシュコロンビア州の警察は、28日以降に70人近くの突然死に対応したと発表。多くが高齢者だったという。
The country has recorded its highest ever temperature - 49.6C (121.3F) - for the third day in a row.
これから、ますます地球温暖化が進みますから、空調などのエネルギー消費は増加することが予想されます。そして、世界で建築物と建設関連事業が生み出すCO2排出量は合わせて全排出量の4割を占めています。この事実を踏まえて、欧米諸国では従来以上に住宅の質、特に環境負荷を減らすための更なる規制や政策が導入される予定です。
脱炭素に向かう建築・住宅エネルギーの効率化と自然エネルギーのシナジー
これに対して、日本の建築物の省エネ対策はどうなっているでしょうか。2019年の建築物省エネ法の改正後も面積が300平方メートル以下の新築建築物は規制への適応を免除されるなど、EUやロンドン市などと比べて、非常に緩やかな規制になっています。
住宅・建築物に関する省エネ・省CO2施策の動向 国土交通省住宅局住宅生産課 (令和2年3月)
また、直近の「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」の本文「はじめに」の4ページに記載がありますが、日本の場合はあくまで規制ではなく「努力義務」や「誘導」になっていることは明白です。上記の資料やこの報告書もそのような内容になっています。
「本検討会では、2050 年に目指すべき住宅・建築物の姿として、ストック平均でZE H・ZEB基準の水準の省エネ性能が確保2されているとともに、その導入が合理的な 住宅・建築物における太陽光発電設備等の再生可能エネルギーの導入が一般的と なることを目指す。」
国土交通省 脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会 とりまとめ(令和3年8月23日公表)
国土交通省のウェブサイトです。政策、報道発表資料、統計情報、各種申請手続きに関する情報などを掲載しています。
一方、英国のウェールズ地域では、脱炭素、社会的公正、グリーン成長戦略の達成を同時に目指す住宅政策の導入も始まっています。2026年までに2万戸の低炭素で家賃が安い低所得者用の賃貸「社会的住宅」を建設するという計画です。
Climate change: Wales 'to build 20,000 low-carbon social homes'
“Plans to build 20,000 low-carbon social homes for rent in Wales by 2026 are to be set out by the Welsh government's climate change minister, Julie James.”
Welsh ministers announce plans to tackle a housing shortage and the problem of climate change.
パンデミックで打撃を受けた地域経済の立て直し、雇用の創出、格差の是正、気候変動対策として西オーストラリア州でも1万5千戸の「環境に配慮した社会的住宅」を建設する計画が進んでいます。この計画により58,500人分の雇用が生まれるというのです。
WA's construction industry is one of our largest employers and has been one of the hardest industries hit COVD-19, with the rate of new homes being built falling to 35-year lows. Through building 15,000 new, low-carbon social housing homes we can create 58,500 shovel-ready jobs - tackling the recovery crisis, the housing crisis and the climate crisis all at once.
Build 15,000 new, low carbon social housing homes in three years
日本では、あまり報道されていませんが、欧米諸国では住宅・商業施設の建設、都市計画には非常に厳しい建築規制が課せられています。住宅・建築物の質・デザイン、居住を支える公園・道路などのインフラ、景観などは政府が課した厳しい基準がないと、それらを担保することは難しいのです。あなたは、この問題をどう思いますか?参加者で一緒に考えます。
質問はサロン会員、記事購入者、ワークショップ参加者に公表します。