英語で学ぶ現代社会

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[解説と設問を発表] 善と悪の経済学(3):現代社会と経済学・金融制度の微妙な関係【英語で学ぶ未完の資本主義】第16回6/1(日)20時@オンライン

[解説と設問を発表] 善と悪の経済学(3):現代社会と経済学・金融制度の微妙な関係【英語で学ぶ未完の資本主義】第16回6/1(日)20時@オンライン

2024年9月から始まった講座&ワークショップ「英語で学ぶ未完の資本主義」。第16回はチェコの経済学者トーマス・セドラチェク「善と悪の経済学」での主張をもとに経済学と資本主義との関係性について英語で議論する第3回です。このワークショップの解説と設問を発表します。

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Global Agenda
May 29, 2025
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[解説と設問を発表] 善と悪の経済学(3):現代社会と経済学・金融制度の微妙な関係【英語で学ぶ未完の資本主義】第16回6/1(日)20時@オンライン
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Photo by Pedro Lastra on Unsplash

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2024年9月から始まった「英語で学ぶ未完の資本主義」に関するワークショップの2025年6月のお知らせです。2025年6月1日(日)夜20時@オンラインで開催するワークショップ第16回は書籍「英語で理解する未完の資本主義」内で、「善と悪の経済学」の著者トーマス・セドラチェク氏へのインタビューが掲載されている第4章の中盤のセクション「社会のエディプスコンプレックス」(P104-107)を使い、英語で議論します。設問はこの記事の以下のセクションの内容も踏まえた形で設定しますので、書籍の購入がまだの方も、ぜひご参加ください。

善と悪の経済学(3):現代社会と経済学・金融制度の微妙な関係【英語で学ぶ未完の資本主義】第16回6/1(日)20時@オンライン

異色の経済学者、トーマス・セドラチェクの著書を基にしたインタビューの第3回です。今回はインタビューの中で「社会のエディプスコンプレックス」とタイトルがつけられたセクションについての議論です。このセクションで、彼は現代の先進国で市民や企業の信頼によって成り立っている経済、特に金融制度が持つ強大な力とそれとは裏腹の脆弱性について論じています。

経済が順調に発展している時代には、中央銀行の総裁の人選や金利の動向にはそれほど注目が集まりませんでした。しかし、グローバル経済の膨張と産業構造の変化により、経済の運営が難しくなってくると、資本主義を支える金融制度の重要性は一段と高まりました。そのような枠組みの中で、彼は、金融制度を中心とする経済、経済学、金融制度と社会との関係が「父親に対する憎悪と依存、そしてそれらの感情の抑圧」を象徴するエディプス・コンプレックスと似ていると指摘したのです。

エディプス・コンプレックスを命名したフロイトは高名な心理学者ですが、彼の分析は、しばしば他の社会科学の分野に応用され、広く使われてきました。

『〈世界史〉の哲学 現代篇1 フロイトからファシズムへ』

http://osawa-masachi.com/?p=1945

エディプス・コンプレックスと資本主義の関係はフランスの著名な哲学者であるジル・ドゥルーズとフェリックス・ガタリによっても「権威・権力による支配と抑圧・服従」の社会構造として分析されています。

彼らは、著書『アンチ・オイディプス:資本主義と分裂症(Anti-Oedipus: Capitalism and Schizophrenia)』の中で、「西洋社会が元来持っている集団に属したい心理のせいで、政府やメディア、さらには経済原理までもが、集団から切り離されたくないという人々の意思を利用している」と、社会における経済学の役割を批判的に捉えています。

Anti-Oedipus: Capitalism and Schizophrenia (Penguin Classics)

https://a.co/d/5tXZlXo

これらの批判は、セドラチェクの著書「善と悪の経済学」「続・善と悪の経済学 資本主義の精神分析」とも共通点があります。

善と悪の経済学

https://str.toyokeizai.net/books/9784492314579/

続・善と悪の経済学 資本主義の精神分析

https://str.toyokeizai.net/books/9784492315064/

あなたはこの「経済学、資本主義と社会」の関係性についてどう思いますか?一緒に考えてみましょう。

日時: 2025年6月1日(日)20時~21時30分

場所: オンライン

定員: 10名程度まで

費用: 見学のみ: 500円、初回参加者:800円~

【チケット】

チケットの申し込みは以下のYahooチケットサイトから、または銀行振り込みでお願いします。

善と悪の経済学(3):現代社会と経済学・金融制度の微妙な関係【英語で学ぶ未完の資本主義】第16回6/1(日)20時@オンライン

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01v60a3z3ag41.html

[注意]

なお、Yahoo Ticketでのチケット購入については、YahooIDが必要になりました。未登録の場合、SMSでの本人認証が求められる場合もあるようです。

チケット購入・販売におけるゲスト購入・クレジットカード決済の変更について - PassMarket

https://blog-passmarket.yahoo.co.jp/archives/wallet_20240409.html

SMSによる本人認証について - PassMarket Blog

https://blog-passmarket.yahoo.co.jp/archives/sms.html

【銀行振込での申し込み】

振込用紙は以下のサイトからダウンロードお願いいたします。

https://www.global-agenda-21c.com/contact

このワークショップの設問は参加申し込み者、サロン会員、有料ニュースレター購読者及び後日発表するnote記事購入者にのみ送付します。過去の【英語で学ぶ大人の社会科】ワークショップと同様の設問を設定しますので、以下のマガジンの2020年4&5月の記事(設問を公開しています)を参考にしてください。

【英語で学ぶ大人の社会科】世界の知性が語る現代社会

https://note.com/globalagenda/m/mb6e6207ceae6

このワークショップに関心のある方は以下のニュースレター@Substackに登録していただくと案内が届きます。

【英語で学ぶ現代社会】を無料ニュースレター@Substackで購読しませんか?

https://globala.substack.com/subscribe

【未完の資本主義】

2019年に出版されたインタビュー集『未完の資本主義』。その特徴は、現代社会で「知の巨人」たちと呼ばれる気鋭の識者7人に、「テクノロジー」と「経済」の観点から今後の資本主義の行く末について尋ねる内容となっています。

未完の資本主義:テクノロジーが変える経済の形と未来https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-84372-8

今回新たに、この書籍の英語版の内容と関連記事について月2回のペースでワークショップを開催していく予定です。以下、それらの識者のラインナップです。

◆ポール・クルーグマン(ノーベル賞経済学者)――我々は大きな分岐点の前に立っている

 ◆トーマス・フリードマン(『フラット化する世界』著者・NYタイムズコラムニスト)――「雇用の完新世」が終わり「人新世」がはじまる

 ◆デヴィッド・グレーバー(文化人類学者・ウォール街占拠運動の理論的指導者)――職業の半分がなくなり、「どうでもいい仕事」が急増する

 ◆トーマス・セドラチェク(『善と悪の経済学』著者・チェコ共和国経済学者)――成長を追い求める経済学が世界を破壊する

 ◆タイラー・コーエン(ジョージメイソン大学教授・経済学者)――テクノロジーは働く人の格差をますます広げていく

 ◆ルトガー・ブレグマン(ジャーナリスト・歴史家)――ベーシックインカムと1日3時間労働が社会を救う

 ◆V・M=ショーンベルガ―(オックスフォード大学教授・ビッグデータの第一人者)――「データ資本主義」が激変させる未来

英語版の書籍はこちらです。

英語で理解する未完の資本主義

https://book.alc.co.jp/book/b10029862.html

「インタビューの英語書き起こし」「日本語訳」「用語解説」「7人のインタビュー音声」をまとめた、「英語を学びながら、英語で学べる」1冊です。英語を使って勉学・仕事をしたり、最先端の知に関心のある人におすすめの内容です。

【解説】

エディプス・コンプレックスに関するキーワードは上記に挙げた「支配、服従、抑圧」ですが、それ以外にも「不安、欲望、抵抗、復讐、権威・権力との同一化」なども加わります。これを見ると、現代の政治経済はこれらの諸要素が複雑に絡み合った結果のように思えます。

例えば、トランプ政権の誕生は自由主義経済に支配され続けてきた米国の労働者階級の反乱・復讐劇とも捉えることができるでしょう。トランプ大統領の支持者たちは、権威と同一化することで、これまで抑えられえてきた自分たちの欲望を、グローバル経済システムを破壊し、知識階級を攻撃することで、成就させようとしているのかも知れません。

セドラチェクは市場における「見えざる手」は後に「作られた神話」だが、「社会の見えざる手」は存在する、と主張しています。事実、アダム・スミスは、経済理論としての「the invisible hand」には著作で言及していなかった、と解釈されています。セドラチェクは、「社会の見えざる手」を良い意味で使ったのですが、現状を見るとあまりいい方向に事態は進んでいないようです。

ここから先の情報、設問はイベントへの申込者、サロン/メンバー/有料ニュースレター会員、note記事購入者に公開します

[解説と設問を発表]善と悪の経済学(3):現代社会と経済学・金融制度の微妙な関係【英語で学ぶ未完の資本主義】第16回6/1(日)20時@オンライン

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