【解説と設問を発表】企業主導型スマートシティの是非【英語で学ぶ大人の社会科】第24回 4/4(日)20時@オンライン
企業主導型スマートシティは成功するか
トヨタが発表した「Woven Ctiy」が日本で話題を集めています。トヨタが「新しい街」を作る計画に乗り出したのは、脱炭素社会に向けて自動車業界の再編と、第3次産業革命と言われるデジタルと都市の融合がその原点です。
なぜ今、トヨタが「街」を創るのか、あらためて考える
<トヨタが発表していたスマートシティプロジェクトの建設がスタート。都市における移...
日本ではトヨタの試みを革新的なものとして歓迎するメディア記事が大半ですが、欧米諸国ではその計画を疑問に思っている識者の方が多いのではないかと思います。
Can Toyota Turn Its Utopian Ideal Into a 'Real City'?(Bloomberg City Lab)
「企業主導型スマートシティ」が欧米諸国の専門家に支持されにくい理由は、過去の経験もさることながら、欧米の「都市計画」の理念及び実体と日本のそれとの違いにもその原因があると思います。欧米諸国の近代都市計画は19世紀の自由放任主義的な資本主義経済のもと、都市に人口が集中した結果生まれた様々な弊害を取り除く試みとして始まりました。感染症の蔓延による公衆衛生問題、貧富の格差の進行による労働運動の激化などが欧州・米国の近代都市計画の起源と言われています。一方、日本の近代都市計画は明治維新をきっかけとして、日本が植民地化されないための「殖産興業」「富国強兵」によるインフラ整備、ならびに「文明開化」を誇示するための西洋風の建築様式の輸入がその出発点でした。
欧米諸国の都市計画の専門家にとって、企業は行政の管理・監督の対象であるので、一企業に都市計画を丸投げする発想は生まれにくいのです。また地域住民は企業の主導するスマートシティのような都市開発に対しては疑念の目を向けることが多く、自分たちの個人情報が企業によって営利目的で使われることを拒み続けてきたことも、これまで欧米で「企業主導型スマートシティ」が失敗してきた大きな一因です。結果的に、過去に企業が主導権をとって進めた「スマートシティ」は、先進国ではほぼ全てうまく行かず、途中で挫折したケースが大半でした。
"If Toyota’s ambition sounds familiar, it’s because the company is not the first to propose building a “real,” breathing city—from scratch—that will also a showcase some of their technology of the future. Disney had that same idea when it built EPCOT (Experimental Prototype Community of Tomorrow) in the ‘60s, and more recently, tech giants Alphabet Inc. (Google’s parent company), Facebook, and former Microsoft CEO Bill Gates have proposed or begun building their own high-tech communities. Even rapper-turned-entrepreneur Akon has aspirations to build a smart city backed by blockchain technology in Senegal. "
グーグルが主導したトロントの大規模な都市開発はそのケースの直近の例です。
Toronto swaps Google-backed, not-so-smart city plans for people-centred vision(The Guardian)
過去にもトヨタの「Woven City」と同様のスマートシティ・プロジェクトが存在して、それが殆ど成功していないのに、それに言及しない日本のメディア記事の作り方は問題があると感じました。もしトヨタや関係各社、政府が本当にこの事業を成功させたいなら、過去の失敗にも誠実に目を向けるべきだと思います。
ただ「スマートシティ」の在り方は今後の我々の都市文明、ライフスタイルを変える大きなポテンシャルを持っていることは明らかです。それでは何を考慮すればスマートシティは成功するのでしょうか。上記のBloomberg City Lab の記事をもとに英語で議論します。
このワークショップの詳細に関しては以下のnote記事を参考にしてください。
[note]「企業主導型スマートシティの是非」【英語で学ぶ大人の社会科】第24回 4/4(日)20時@オンライン
設問は参加申し込み者&サロン会員にのみ送付します。過去のワークショップと同様の設問を設定しますので、以下のマガジンの記事を参考にしてください。
【英語で学ぶ大人の社会科】世界の知性が語る現代社会
また日本政府の官邸が主導する「スーパーシティ構想」に関してはこちらを参考にしてください。
都市のDXが進む「スーパーシティ」構想とは?
スーパーシティとはなにか?スマートシティとの違いや、事例について解説しました。
内閣府が語る「スーパーシティ構想」、“現実”の未来都市の姿とは |FinTech Journal
設問
1) Please list words related to mobility, ecosystem and utopia.
2) One to three minutes chat about "smart city"
3) What do you think of "the past experiences of smart city development in other countries " in relation to Toyota's "Woven City development?
4) Do you think that the development of Woven City will influence how cities are planned and built in other countries ?
5) Do you want to live in "Woven City"? Please tell us the reasons why you think so
6) What is your concern about the smart city development in relation to the Super City Projects in Japan?